やっと見つけた 小さなデパートの雑貨屋で君にぴったりの香りもちろん即買いしたさ、香りの名前も見ずに嗅いだ瞬間に君の、うなじと耳の裏を撫でる仕草が浮かんだ 君がそっと隣に腰を下ろしハンドバッグを膝にのせたあの時をね探したよミルクみたいに柔らかいけどすごく角があってクセがあるんだねぇ、僕はやっぱり ものすごく格好悪いやつなのかも知れない 君を無くしてから二年、忍びよる春 僕はもう、大人歳をとりたくない…なんてね笑わないでくれよ
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