詩人:清彦
君の手首には刻まれていた
付箋に音符が踊るように
痛みと、赤く、奏でて
僕はヘラヘラ笑う道化師さ
夜道を煙草の煙フカしながら歩き
人目をはばからず、煙をもて遊ぶ
街が僕らを拒絶していた
そんな気がずっとしていて
だから君しかいなかった
音楽は秩序を暴走する衝動だ
全てをカオスに踊らせようとする
ふたりに出逢った意味なんか無かった
だから、あんなに愛し合った
街が今日も規則通りに動く
決まった時間に運ばれて、出社して
別に誰が悪いわけでもないことが
一番苦しいし虚しい
どうか、痛みよもう一度
僕を殺してくれ
君の手首に刻まれていた
付箋に音符が踊るように
痛みと、赤く、奏でて