詩人:花房優希
君が愛しいと叫んだ細胞が死んでゆくのを感じた
僕の目が
僕の耳が
僕の声が、
僕のすべてが君を忘れていく
痛みさえも大地に枯れ果て
涙の雫が哀しみの花を咲かせる
生命の息吹は
君がいなくたってどこ行く風
知ったか振りを決めたように流れ行く
冷たくなった指先は
明日を語れず何にも触れられない
いつだって虚空を眺めている
僕に残るのは寂寥感
何かが足りなくて追い求める
伸ばした腕はつかめない
そこには誰もいないから
暗闇の中
ひとり君を探してる
はやく
はやく
君を完全に忘れてしまう前に、
最後の我侭
どうかどうか
君に愛していたと伝えたい
(僕が落としてきたものは、何だっけ)