詩人:aya
ドアの前の人影。
顔を見なくてもわかりました。
猫背がちで黒い髪。
会いたくて、
でも会いたくなかった人。
落ちたリンゴも気にせずに
君だけを見て走っていました。
いつから..
そんなこと聞かなくたって
わかりました。
冷えきった手。
真っ赤な鼻。
だから
何も言わずに抱きしめました。
冷えた体ごと強く強く。
君は凍える手で弱々しく、でも強く、抱きしめ返してくれました。
こんなわがまま..
本当ごめん。
こんなに君を苦しめたのね。
こんなに君を冷たくしたのね。
私が映るあなたの瞳から
私を想った涙がぽろり。
やっぱりあなたじゃなきゃダメみたい、私。