詩人:まとりょ〜鹿
滲むオレンジを背中に受けてあの坂道
君が笑いかける。
また学制服とはミスマッチな面白いニット帽を被って
毎日この坂道をオンボロ自転車で二人乗り
君と一緒に帰るから、もう半年で4回も後輪のパンクを直して
『不思議だね。ほら後輪の軋んだ音が笑ってるみたいだね』
君が笑う
つられて笑った。
オレンジが黒に吸い込まれてゆく…
君の家まであと少し…。
また明日ね。
俯いた君の顔がニット帽に隠れたみたいに小さくなる。
また明日…
不思議な時間(魔法)が終わる呪文…。
2005/11/01 (Tue)