詩人:NZO
夕日に染まる小さい背中
リングに向けて放たれた夢は
あっけなく弾かれた
中途半端に伸びた髪
転びながらの奇跡的な成功を
僕以外の誰も見てやしなかった
何の為に生き、誰を愛せばいいかなんて
当然、頭にはなく
ただ出された飯に食らい付くように
泥臭く生きていた
夕日に染まる丸い背中
過去に向けて放たれた問いは
赤い空へ消えてった
中途半端に伸びた髭
転びながらの絶望的な失敗を
僕の他に誰がするというのだろう
何の為に生き、誰を愛せばいいかを
毎日、必死に探して
石橋を何度も叩いて渡るように
臆病に生きている
僕は今、生きている