詩人:亜子
短いトンネルをぬけた先
晴れた空からこぼれた雨
ふとうつむいた君の
うなじに一粒がくっついて
匂いたった未練
重力のきれた
綿毛となった君は
すぎる景色を一本の風にして
葉擦れのような笑いをくりかえした
想う道を絶って
想う心をのこしたまま
君はそこで
ああ 泣いていたんだね
向日葵の一途さばかりが抜け道と
あの場所から手をひいてきたのは僕の言葉たち
雲になりはてた今
飛沫は僕にかえりきて
染みとなり
染みと残れ
そうして君と
すきとおる日向雨の
遠く虹をさがそう
2006/08/09 (Wed)