詩人:無人
祭囃子が聴こえ夏の夜は朧げに浮かび上がる提灯が幻を映しざわめきは闇に絡む獲物を探す獅子は舞い知らん顔の宮司乱れる提灯の明かり捕まれた手振り返る瞬間見えた過去誰より大切な人笑った顔に重なった獅子の舞いそれは夏の幻二度と見ることのない幻気がづけば都会の中立ち尽くす夏夜私の代わりに蝉が泣いてくれた