詩人:チェシャ猫
神様
死んでいく僕に意味を与えて下さい
泣きながら眠るのに飽きた頃に
終わりの扉を叩いて下さい
もう少しだけと祈り続けたこの世界で
この目は一体何を見出せたのか
貴方を抱くことからすら逃げ惑うこの腕で
どれだけのものを掻き集められたというのか
微かな声にさえ怯える夜に
世界の隅で貴方は微笑った
隠したナイフを翳して僕は
見えない誰かに立ち向かう
神様
この腐った世界で
天使の羽なんか見えなくていい
悪魔の翼を与えて下さい
貴方が堕とした美しき罪人に魅入られて
この世界は狂っていくから
どうか終わりの扉を叩いてください
もう足音がそこまできているから