詩人:もとり
愛してる と視線を落とし
受話器越しに聞こえる声に
もう興味はない
ゲームをしながら
愛してるよ
ご飯を食べながら
俺も寂しいよ
本を読みながら
早く会いたいね
すべての言葉に
嘘は無いけれど
すべての言葉に
想いを含ませてるかと言えば嘘になる
ただ淡々と
日課をこなしているだけ
酷く退屈でつまらない日常に
一滴の刺激を滲ませただけ
彼女ははしゃいだ声で
幸せだと言葉を漏らす
笑えるぐらい溶けた思考で
呆れるぐらい幸せな夢を
壊れるぐらい押し付けながら
2015/03/14 (Sat)