詩人:まとりょ〜鹿
『生きとし生ける者
その全てが幸せだといいんですがねぇ〜』
ブカブカで台詞とは不釣り合いな格好した男は笑う。
力の無い目元の瞳の奥では
確実に私の心を見透かして
…ほら、泣けてきちゃうじゃない。小さい体一つ、窮屈な強がり。
銀色の星屑が貴方のフワフワ髪を輝かせるから
ついつい抱きついて口元緩んだ。
易々と夢は語らず
媚びる事もなければ
いつも誰かを救い出しては
我関せずと優しく微笑む貴方。
甘えついでに言っちゃっていいですか?
好き。
好き。
私、貴方が大好きなんです。
『んな事ぁ分かってますから。』なんて
また星空眺める遠い視線。
私だって分かってるんだよ。
貴方は誰かのモノでなく、夢のモノ。
独り占めなんか出来やしないの。
侍一匹。
それが私の見た背中。
夢一つ。
貴方は戦い続けてゆく。