詩人:遥 カズナ
一番、気持ちの良い
朝の散歩を
洗いたての髪で
濡れたサンダルを履き
足跡のまだない
砂浜を踏む
蟹達が横目で行き交う
心のこりを
昨日へおいてきぼりに
モクマオウが風に走るような音をたてる
互いに
忘れようとしあいながら
知らずに結んでしまった
約束のような
遠い小指の感触が
跳ね返ってくる
いつもより、いつもどうりに
耳の中に小指の先を強く突っ込み、痒みがとれるまで
深く掻きまわす
しかたのない事ばかりが
ゴシゴシと思いあたる
その手で
目もともゴシゴシとやると
小指の先が臭くて
笑ってしまう
、