詩人:黒夢
君のその眼は空を見ていました。僕のこの眼は君だけを見ていました。だから分かったんだよ。君のその眼は「退屈」と言っていました。僕のこの眼は「行かないで」と言いました。この視線が鎖となればいいのに。君はその眼で僕に別れを告げました。僕のこの眼は何も告げられませんでした。霞む視界に君の進む道は見えなくて。遠くを見つめる君の眼がこの世界に愛想を尽かしたように見えました