詩人:アイ
久しぶりのデート
懐かしい匂い
何故か触れる手がぎこちない
冷たい風が味方して
二人の距離を近づける
ずっと会いたかった
もう離さないでなんて言えない
帰る場所が違うから
さよならして前に進まなきゃ
うつむいてゆっくり歩いても
電車に向かう人の群れに流されて
お別れのキスの後
振り返ると低い改札が
二人の間に境界線を引いていた
遠くで立ち止まって見送る姿を
何度も確認しながら
越えてはいけない一線を背に
小さく手を振り消え去った
一緒に居る時に我慢した涙が
ホームで少しずつ流れ出して止まらない
二人過ごせる時間が幸せ過ぎるから
辛い別れを覚悟していたはずのに
電車のドアが閉まる
片道1時間半の距離
一時の幸せの為に立ち寄った
二人がずっと一緒に過ごせる日は
もっと遠く
繰り返す別れの先にある
でもその未来が確かなら
この愛を抱えて今を歩いていくよ