詩人:もとり
泥の中に手を突っ込んで嗚咽混じりにかき混ぜた不透明な渦の中は暗く澱んで翳りを増すもう何もかもみんな混濁してしまえばいい 寂しさ愛しさ妬み醜さ故に陥る虚しさ沈殿物は深く 深く積もっていく時折感じる傷の痛みが本当に不幸とは限らない只 時折見せる優しさが本当の幸せとも限らない渦が収まって凪いだ頃全てが収束に向かっていく何事も無かったかの様に只其処に有ったという事実だけを残して