詩人:風凛
雨の香り。しっとりとした土の匂い。汗っかきな窓を開ける。ぬるぬるした空気がべたべた入ってくる。流し目の雨雲と目が合って。目で会釈をする。窓にひじをつき、ふやけた地平を見て。わたしはカタツムリみたいに考えた。ゆっくり。でもしっかり。これからのわたしは、何がしたいのか。屋根の眺めが水彩画みたいに透き通り。たくさんの葉がぱたぱた、かぽかぽ鳴く。屋根がトタタタッ、タタッとノックされて。なんでか、こんな日はとてもゆっくりした気分になれる。