詩人:もとり
形有る物はいずれ壊れてしまう
形無い物は知らぬうちに壊れている
ならば形にしてほしいと思うのは
私の未熟さ故の物なのだろうか
長く付き合ったとか
深く愛したとか
終わってしまえば
思い出以外何も残らない
過去の記憶に縛られて
今の貴方は一体誰なのかと
否定と後悔を繰り返し
好きじゃない
愛されていないと
嘆き憂いで
記憶と想いを足枷に
無理に引きずって歩く私は
間違って居るのだろうか
それでも忘れられない
忘れたくないと想う私は
間違って居るのだろうか
常に上書きして
自然に風化させる以外に
道はないのだろうか
自然に誰かだけを
好きだと言える日は来るのだろうか