詩人:サトリ
「どうしようもない」
なんて口にしてみた
早足で過ぎてく毎日は
僕を毛嫌うように
見て見ぬふりをして
消えていく
歩き出す
僕の目の前には
あの時の僕が
手招きをして待っていて
僕を黒く染めてゆく
土の中から這い出した手が
足をつたい
腹をつたい
僕の心の中へ蔓延って
僕をダメにしてゆく
そうしてまた
「どうしようもない」
と
つぶやく
甘えなんかいけない
泣き言なんて存在しない
そう
心に置いているのに
力なく崩れていく
僕の脳を
それでも救ってほしくて
今日も
空を見上げた
意味もなく
見上げた
2006/03/15 (Wed)