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詩人:どるとる
ホームランは僕にはうてやしない
きっとあきらめるのだけは誰より早い
1日が今日も静かに終わってゆくんだね
目を閉じてしまえば次目を開けたらそこは明日の朝だね
夜の闇の向こうを
見つめて
一番星を見つけてから
寝るのが僕のいつもの習慣なんだ
結果は残せそうにないけど僕なりに頑張ったんだぜ
それだけで笑えるなら幸せじゃないかな
結果がすべてじゃない
大事なのは過程だよ
少なくとも僕には
たとえばノーカウントで終わった9対0の
試合のように
きっと僕の中には
悲しさがどうしようもなく残るけど 残るけど
それでも
誰かが思うより
僕は真剣だったのさ
僕だけが知ってる
決死のフルスイング
目には見えない
血がにじむ攻防
記憶にまで残る傷跡
今も癒えてないんだ
あの涙は僕にしかわからない結果が見えても 走りつづけた者の唯一残せる見えない証なんだ
笑いたいなら笑えばいい
笑わせておけばいい
さんざん走り回ってたどり着いた真夜中に振りかぶる
無音のパントマイムは右中間をぬけるフルスイング
ホームランより
勝ち取るのは難しい
これが僕の言い訳さ
負け犬の遠吠えにしか聞こえないのは
あまりにも僕が不器用すぎるからだけなんだよ。