詩人:花房優希
君が忘れてしまったもの
全部僕が拾っていくから
だから、君、忘れても良いよ
僕、覚えてるから
忘れても良いよ
仮令君が忘れても
過去なんか要らないと云っても
君の記憶から僕が零れ落ちたその時は
僕はその欠片を掻き抱いて
君の傍で笑っていたいと思う
破片で傷だらけになった掌のことなんて、
君は気にしなくて良いから
何も知らずに、知らない振りして
僕の傍でただ笑っていて
はらはら
はらはらと舞う嘘
その笑みが本物になるまで、
どうかこの涙には気付かないで
チクチク、
ズキズキ。
痛むのは、何故?