詩人:朱雀
高天に 先立(さきだ)ち渡る笛の音(ね)に
つられて響く 馬鹿囃子
浮かれ拍子に 浮気酒
燥(はしゃ)ぐ半被の裏側に
しとと張り付く やるせなさ
釣り合い人形 左右(そう)に揺れ
昔者(せきしゃ)と来者(らいしゃ)が行き交じり
渡御(とぎょ)を遊戯(ゆげ)する 頑是無さ
木偶(でく)の人形 影向(ようごう)の音(ね)に
目垂顔(めだれがお)して しゃちこばり
傀儡回(くぐつまわし)の 不甲斐なさ
暮天(くれてん)の 帰路に幽かな鉦(かね)響き
狸囃子の 鎮魂(たましずめ)
2008/10/16 (Thu)