詩人:山鳩
吹きすさぶ砂漠の風に大切な君の記憶が削り取られてゆく君のしなやかな髪君の澄んだ黒い瞳君の艶やかな肌君の濡れたような唇君の冷たく柔らかな指先君が私にくれた言葉君の偽りのない優しさ何もかもが無情に容赦なく乾いた砂漠を吹き荒れ黄色い砂粒が風紋となり硬く握り締めたこの手から奪ってゆく