詩人:どるとる
遠い遠い日の記憶を
押し入れから引っ張り出した
アルバムのごとく思い出せば
ひとつやふたつくらいはほほえめるだけの楽しい記憶はある
されどその頃の記憶は雪に埋もれ
今はもう思い出せないくらい遠く遠く果てしない昔話
そこにいた僕も
ピースをして
笑っていた僕も
瓦礫の一番下
燃え尽きた記憶と
燃えカスがまだ
くすぶってる
悲しみも
切なさも
目をそらせば
ないも同じ
僕だけが知る
雨降りの記憶
故意に閉ざされた記憶
それは 忘れられぬ記憶
説明不可能な痛みとなって毎夜僕の心を突き刺すのだ。