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詩人:望月 ゆき
昼下がり
きみは逝ってしまった
死んだら星になる と
昔から教わってきたけれど
きみも同じなのかな
きみは この空の
どの星になるのだろう
ぼくにだけは
こっそり教えてってくれないか
きみは
いろいろなぼくを見て
いろいろなぼくを知ってる
ぼくは それと同じほどには
きみを知らない
きっと ね
それほどしっかりと
きみを見ていたかって聞かれると
自信がないんだ
ぼくには
この部屋の中以外にも
生活の場がたくさんあって
それゆえに 考えたり
悩んだり 喜んだり 悲しんだり
あまりに忙しすぎて
きみのことばかり かまってやれなかった
きみには
このリビングと
毎日数時間 ぐるりと散歩する
近所の町並み
それが世界のすべてだったのに
それすら
ぼくは知らずにいたんだ
結局のところ
きみは幸せだったのだろうか
きっと幸せだったのだ と
信じ続けることは
ぼくのエゴだろうか
きみが何を考えていたか
きみが何を求めていたか
今となってはもう
問うてあけげることもできないけれど
きみはいつも
ぼくに幸せをくれたし
ぼくは少なくとも
いつもそれに感謝していた
今も感謝しているし
これからも ずっとだ
ずっと 忘れない
ずっと 忘れないよ
それだけでも
きみは幸せと思ってくれるだろうか
きみが逝ってしまった昼下がり
ベッドに転がってつぶやいた
ひとりごと