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[182571] サバエとバイタ (前篇)

詩人:快感じゃがー






彼は,黙り込んだあと,微笑んで

「先に死ぬ」と言って
静かにひさまずいた。

震える脚...宙ぶらりん,になったなら

溜め息と同時に,この重みは
永遠の意志,になるのだろうか?

決意を前にして酷く,冷静になる...

これはリアルだと気づく...

急にあらゆる感覚が,甦ってきて

私は,この約束よりも
大事なことを思い出した。

"痛い,怖い"とわめく心臓...

それは,それは「生」だ。
その煩わしさは,確かに「生」なのだ。

サバエのようにうるさく,生臭く
バイタのように

しつこくて,いやらしい...

彼の声が,この世の方程式を,示したんだ。





2013/08/24 (Sat)
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