詩人:トケルネコ
お前は何を描く
なけなしの言葉とプライドで
その歪んだ文字は生命の本質か
それとも顔を隠した野暮なハッタリか
物憂い街中で色とりどりの声を聞き分け 世界は今も句読点を知らない
優しかった息子はどこだ?
父は?母は?あの子の澄んだ眼差しは?ワタシは、どこ‥?
お前の彷徨う指先は彼らの喪った顔に触れ得るのだろうか?
吹き溜まりに風は真理を投げる
むしろ、エイリなど知らないままに詩を紡げば
言葉は貫く陽射しにもなろう
鏡は蜃気楼の昼にこそ必要なのだから
お前は何を描ける
お前は何を信じる
美しいコトバでは笑みしか得られない