詩人:夢姫
グレイの空が闇に落ちて
告げるは午前0時
闇に包まれた
目の前に広がる景色に並ぶシグナルが
青になったら走りだす
口笛を吹く横顔が
行き交うライトに照らしだされた
「好きよ」
サイドシートのあたしに
横目で微笑んで
目の前の光を追い抜いて
騒音の中
口笛が鼻歌にかわる
いつまでこうしてられるかしら
どこまで道は続くのかしら
せめて今だけでも
淋しくなければいいと
ただ走り続ける
いつまでこの椅子は
あたしのものにしていられるのかと
ひやひやしてたら
速度があがった
「愛してる」
呟いても騒音に消えた
午前0時のドライビン