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[186477] かすがい

詩人:遥 カズナ

亡骸は濁点の蟻に担がれ運ばれていく
パラパラマンガのように
一文字、一文字が
誰かの自由の養分にかわっていく

山羊小屋は
十分に腐りきった肥沃な肥料は
こうなるだろうとわかる臭だけにつつまれている
そこへ僕を連れこんだ彼女を
後ろから下着をずり下ろすと
丸見えなサラサラとした尻の片側がひび割れ
踏み潰されたカタツムリの内臓を覗かせていた
この手に
握り潰すようにじかに味わいたくても
戦場の死人の、見開いた眼球の速度で乾き初め
フイルムカメラのシャッター音も間にあわないくらいばらけたピーナッツの薄い皮みたいに
パリパリと剥がれ落ちて
ちらばっていった

そんなやりとりの後
剃刀で互いにの体の毛を剃り合い合い
自尊心の固め合いがはじまる

「ねえ、皆が君の事をどう思っていのか、知ってる?」

ビールを一口、そしてもう一口、口に含めば
世界一周

「僕に乾杯」

言う事はもう、なにもないよ

2014/09/28 (Sun)
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