詩人:あいる
ひねくれた虹がそこにあった
きれいな夢はみせてはくれない
そもそも何が綺麗かわからない
なないろの鈍い光は体にのしかかるから
よけいな夢を見せるから
そこでもう一人の自分は
嘘の感情で固められた服を体に縫い付ける
よそ行き顔の生きたマネキンから
汚い疲れた笑顔が
縫い目から歪んで隠しきれずわいて出てくる
ぼくはまだその場所から動けずにいる
この夢が覚めたら
ボクはボクだかわからない
眼を閉じる
色はなく闇に浸食され
浅い眠りにつく
ぼくはまだ目蓋の裏の鮮やかな虹を見ている
2006/02/07 (Tue)