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詩人:リコ
おずおずと振り向く
コケの生えた
我が人生の軌跡
色鮮やかな茸が生え
胞子からの
生臭さ
遠く遠く
もう見えない場所からたちこめる
頭痛をくれるほどに
幸福論
救済の術
7文字に納められた
希望を
あなたの暗闇
消してさしあげましょう
ニコリと笑う
鍍金の女神
錆と鉄臭さ
隠せぬ腐食
輪になった人々
その不気味さを
石投げ唾吐き大笑えば
わざとらしく
血の涙流して
恥と知った
金ピカメッキ
自ら剥ぐべく
その身を地べたに
叩き付け
あっさりと
壊れてみせた
わざとらしく
目の前で
けれど誰にも知られず
守るの意味も知らずに
救うの意味も知らずに
金を羽織る役など
デキナカッたんダよ
くだけた女神
ただの女
石ころとなり
存在は
泣いて
飲みこみ
泣いて
吐き出し
苦い罪悪を
食べ尽くすまで
荒野に蹴飛ばされ
ごろごろと
染み込む雨水を
ただただ感じ
鍍金女神であった頃を恥じ
石ころである事を恥じ
下手くそに生きて
それで良かったんだと
お前は正しいと
聞こえてくるまで