詩人:中村真生子
1年ぶりに会った友と
店を出ようとすると
車軸を流すような雨。
雷も鳴っている。
小降りになるのを待つ。
同じように待っている人と
言葉を交わせば
聞きなれないイントネーション。
熊本から旅行で来たのだという。
年の頃も近く
井戸端会議よろしく
扉の前で話が盛り上がる。
遠方に帰る友の時間もあり
三度扉を開けると
やや小降りに。
雨の中を縫って
互いの場所へと向かう。
数十年来の友との
初めて会う人との
つかの間の出会いと別れ。
雨の中に咲く花のごとく…。
2012/08/14 (Tue)