詩人:soul
渇いた喉から吐き出す声は無力に白く
冷たい壁に跳ね返された
雑踏にかき消された僅かな望みは容易く薄れて
街は今日も電子が笑う
夢を描いた
いつかの少年
悲しげに"これでいい"と
渇いた温度を潤した雨は無抵抗に散った
綺麗な情景地面に跳ねて
守り通した僅かな誇りも容易く薄れて
街は今にも凍りそう
愛を手にした
いつかの少女
虚ろな目をして"これでいいの"と
鮮やかな世界を見られないまま
曖昧な風景が回りだす
昨日見たのは確か
眠い幸福に抱かれた夢だ
夢を描いた
いつかの少年
悲しげに"これでいい"と笑う
渇いた喉から吐き出す声は
無力に白く
容易く薄れて消えた
それでもまだ
彼らは"これでいい"と