詩人:栢徠
首だけになったカレが笑った「こんな僕でもまた撫でてくれるかい?」首の無い体は動かない「えぇ、首だけになっても大好きよ」愛しい首を抱き上げ、視線を合わせる「でも、腐らない?」「その時は、その時さ」その言葉に笑って私は首を抱いて歩き出す体はそのままにして喋る猫の首を抱いて……それは、きっと、歪んだ私の錯覚死に際に見た、私の最期の優しい悪夢