詩人:ならか
私の過ごしてきた日々や
重ねてきた努力など意味はなく
簡単にひねりつぶされる
忘却は存在が消えてしまうこととあまりに似ていて
時々あたしの体から軋む音かするのは
誰かの記憶からあたしという存在が消えてしまったから
歳をとるにつれて軋む音はよくなるようになった
だからあたしは月日がたつのが恐い
ずっとこのままがいい
つまらない
けど温かいこの場所
このままつまらない日々だけを過ごしたい
気が狂うほど幸せで温かい
けど時間は掻っ攫う
温かい場所時間居場所
時間はあたしを指差して嘲笑う
そんなに可笑しいかしら?
ただ必死に生きているだけなのに
そんなにみずほらしいかしら?
じゃあどうしたら恰好よく見えるの?
擦っても擦っても
消えない 消えない
ねぇ やめて
いつからそんなに弱くなったの