詩人:ハト
洗濯物を干しながら
車庫の中で見付けたそれは
おじいさんの麦わら帽子
暑くなるとそれをかぶって
首にタオルを巻いて
田んぼへ畑へ
私が小さいころは
前の夜に約束して
朝は五時に起きて
ケイトラの後ろに乗って
朝露に濡れる苺を取りに行った
見付けた麦わら帽子
それはおじいさんの名残
ざるに入った苺を見ると
今もあの朝を思い出す
それは名残の麦わら帽子
今年は誰が
スイカを育てるのでしょうか
それは名残の麦わら帽子
今年は誰が
稲を刈るのでしょうか
それは名残の麦わら帽子
2006/06/16 (Fri)