詩人:竜宮這
雨上がりでじとじとしている坂道の端を水が滑り落ちる今日は猫も烏も居ない静かな物だった家も電信柱も堂々として動かず、木の葉だけが僅かな風を教えてくれた今日俺は闇に飲み込まれそうな気がするいつの日かこの坂がとても明るく照らされていたのを思い出すあの日俺は何を考え何を思っていただろうか今この坂を見ても少しも分からないもとから坂なんかに興味なかった空ばかり見上げていたあの日の空はもっと晴れていたと思う