詩人:月
静かになった 部屋を眺めた
まっしろな天井 壁
あるのは 使ってない安物のパイプベット
まっしろな シーツ カーテン
固まったままの 足が不意に力が抜けて
崩れ落ちる
そしておかしさが こみあげてくる
いまさっき きみがいたのに いまさっき このあしがこわれれば きみが てを さしのべてくれた かもし れないの に
キレイになりたくて
まっしろで揃えた
だけど そんなの無駄で
現にきみは いない
きみは まっくろな街へ行った
ぼくは 日が落ちて まっくらに染まろうとしてる部屋に 一人
かなしいことに そ れだ けが おそろい になっ ちゃった