詩人:霧緋
あなたの温もりが消えたこの部屋で
帰りを待ち侘びていた
きっと帰ってくる
いつものように『ただいま』って
優しく頭を撫でて笑ってくれる
小さな体に孤独を背負い
一人残されたこの部屋で
外からドアが開くのを待っていた
僕の後ろには
優しく笑うあなたの写真
僕の後ろから
お線香のニオイ
足音が聞こえる度立ち上がり
窓を開けてあなたを探した
安い布団に転がれば
大好きなあなたのニオイがした
僕を抱いて優しく笑う
もうあなたは写真の中にしかいない
気が付いたのは大人になってからだったよ、お母さん
2006/08/08 (Tue)