詩人:シズク
キイ……
キイ……
錆びたぶらんこが風に揺れている
曇天の空の下
消え入りそうな音をたてて
いつもここに座っていた少女がいない
―――なんだって努力すれば叶うよ。
そう言ってさっきまで笑っていたのに
次の瞬間にはもう肉塊なんだね
ビルの下で変な風に捻曲がった体
手渡された一通の手紙
封を開けると
―――努力しても叶わないことがあるって知ったから。
キイ……
キイ……
錆びたぶらんこが風に揺れている
誰も座っていないのに
まるでこいでいるかのような音をたてて
2005/03/25 (Fri)