詩人:Bob
寂しくて 切なくて
家にはとてもいれなくて
ビルの裏の駐車場
たった一人でそこにいた
そいつはそんな俺に向かって 一声鳴いた
「にゃあ」
あぁなんだ 黒ネコか
そこで初めて
自分以外の存在に
目を向けた
そのネコの瞳には
満たされることのない月
だけが映っていた
俺の瞳にも
一部が欠けた月
だけが映ってるんだろうか?
ビールの空き缶は
歪んだ俺の顔を
映し出す
歪んだ俺の瞳には
何も映っていなかった
今日は新月なのだろうか?ふと上を見上げる
あれ?…満月だ
2006/10/24 (Tue)