詩人:日月子
えんりょがちに恋をしていたあなたの差し伸べた手は私が迷うくらいに距離がありました精一杯の光だったかも絞り出した言葉だったかもたくさん人を乗せたバスが二人の前を通っていたのでなんとなく気を取られてあなたをつかまえ損ねたのです今私が伸ばした手は払うこともされず握られることもなくあなたの裾を掴みそこねた戻っておいであたしのあたしの負け犬の手あの人はもう去ったのだよ…