詩人:朱雀
巡る季節が秋を謳歌し饒舌な色彩が手招く蒼穹(そうきゅう)を遮る木の葉しぐれは淅瀝(せきれき)の音を連れ刹那の秋を 彩(だ)み返すさながら纏綿(てんめん)としたメサイア惰弱な愚者(おれもの)は記憶への耽溺に病み足下(そっか)を攫う浮遊感ここだけ時が止まったような都合のいい錯覚と譫妄(せんもう)・・・見上げる事のない空には索然(さくぜん)とした真昼の月がぼんやり浮かんでいるのだろう