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朱雀の部屋


[20] 目眩
詩人:朱雀 [投票][編集]


巡る季節が秋を謳歌し

饒舌な色彩が手招く


蒼穹(そうきゅう)を遮る木の葉しぐれは

淅瀝(せきれき)の音を連れ

刹那の秋を 彩(だ)み返す


さながら纏綿(てんめん)としたメサイア

惰弱な愚者(おれもの)は

記憶への耽溺に病み

足下(そっか)を攫う浮遊感

ここだけ時が止まったような

都合のいい錯覚と譫妄(せんもう)・・・


見上げる事のない空には

索然(さくぜん)とした真昼の月が

ぼんやり浮かんでいるのだろう

2008/10/18 (Sat)

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