詩人:大示
出逢い別れの季節なんて
今の僕にはピンと来ない
年がら年中荒れた部屋で
見ざる聞かざるの僕には
動くのを止めない無神経な時間と
変わっていく温度が
動けない体を追い詰める
この荒れた場所で静かな部屋は
髪一筋も残さず旅立った
あの人のアトリエぐらいで
描きかけの一枚の似顔絵は
ぎこちない笑顔の僕
永遠なのは冷たく動く時と
薄いカーテン越しに見る
堂々巡りの季節達
世界から忘れられた暗い部屋を
秘密基地にした僕は
もう一人の僕と、同じ様に白い世界で
ただ、笑っている
2009/03/09 (Mon)