詩人:野上 道弥
はぐれないように君の手を強く握ってた はぐれないように僕の手を強く握り返してた 振り返った時 別の人なら嫌だなと 永遠と思える瞬間があった 君は悪戯心に爪を立ててた 読み取られてたかと 本気で思った 人ごみの中の喧騒に小さくはしゃぐ君は 僕の愛する君なんだと 心から思った 全ての店が閉まる時間まで一緒に居て 君が悲しげに声を奏でた お祭りの後って寂しいね 二人で居ても寂しいの と、聞き返したくなる 縁日の夜