詩人:猫の影
さて見飽きた夜空でも見ながら
少し話そうか
この汚い空の向こうには
限りなく広い広い空間が広がっていて
きっとまだ証明はされていないけれど
今の僕等みたいな人達が
どこかの銀河の
どこかの星に
幾万もいるんだろう
そんな広大な空間の中にあるこの星の
こんな小さな空間に僕等は生きている
そもそも僕らがであったのだって
人類の恐ろしく長い血の系譜の中で
たまたま引き当てた恐ろしく確率の低い奇跡なんだ
しかもその一見恐ろしく長い人類の歴史も
この小さな星のさらに膨大な歴史の
ほんのたった一部にしか過ぎないんだけれど
…まぁ要は君が好きなんだ、僕は。