詩人:木菟
天秤は傾く
毒を持った皿 を 彼女は惜しげもなく 差し出した
魔法がかけられ完璧だった食べた誰か
愛だとか信頼だとかいらない 生きていけるのだと
冷たい目で 彼も共に光った
天秤は傾く より 重いほうに
最早天秤の存在は意味がない
世界だ人々だ
痛むことないならば酷く羨ましい
もっともっと何かを大切だなんて思うことなく決めることなく心、毒々しく重くあれば傾いたのでしょうか
仲間になれたのか
彼らみたいに 軽やかに唾を吐くみたいに 笑いあえたのかな
その実のところなど 価値は がらんどう
虹はかけられても がらんどうを信じて止まない
求めて止まない がらんどう 飾りたてても金を積んでも振れば音すら鳴らない