詩人:楠崎 志杏
ひんやりとした空間
ただ立ち尽くす人影
漆黒の世界で
ただ一つ、
ただ一つ見える人影
足元から伝わる冷たい気配に
感覚と感情が支配される
とめどない黒い感情が押し寄せる中に
微かな抵抗の色が見えた
…感覚…
何処までも続く黒に
僅かに片足をいれながら
それでもソレは動いた
ひんやりとした空間
ただ立ち尽くす人影
漆黒の世界で
ただ一つ、
ただ一つ見える人影
ゆらりと動き、ただ上を見つめる
諦めかけた感情
抗う感覚
双方の影がやがて一つへと重なる
漆黒の世界は永遠ではないということ
・・・
2006/06/13 (Tue)