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[133087] メニスカス

詩人:朱雀


破色の風が吹く街に

千の瞳が上滑り……

渇いた時を 遣り過すには

いくつ 口実(りゆう)がいるのだろう?


事も無げに あいつは笑い

滲んだ空を見上げているから

素っ気無い振りをして

嘘つきな眼鏡を捨てた


上目遣いの視線の先で

尖った痛みが

ちぎれた雲に跨り

繋いだ指に 秋がひとつ落ちる


引き返せない迷路に

分かれて 流れて 引き合って

ゆらぎに映る二人は

零れた水銀に 似ている

2008/10/19 (Sun)
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