詩人:鈴砂
時雨心地のくれない空
時計の針と雨の音
熱に浮かされ歩いては
見上げた空に澱み雲
水に濡れ
肌に纏わる遣らず雨
全て洗い流れるはずで
雨に打たれた独り道
額に張り付く前髪が
視界を阻んで突き刺した
排水溝から溢れる水を
私はただじっと見つめた
牢で渦を為したものは
冷ややかに眺めていた私を咀嚼し
獣然と吼えたててやまない
その声すら掻き消す程
雨音は酷くなるばかり
降る雨の下
排水の上
いつまでたっても水浸し
今日の雨は気違いだ
私の知らない梅雨を連れ
明日もまだまだ降るだろう
2005/05/28 (Sat)